15年を機に我が身を振り返る

珍しく自分のことを書きます。
今から15年前の1999年4月、地方インターネットプロバイダのスタッフとしてこの世界に飛び込みました。
15年をこのインターネットの世界で生きてきて思うこと、大切に思っていることを少しだけ書き留めておこうと思います。

いろいろな人に生かしていただいているということ

15年という長い時間で、たくさんの出会いと別れがありました。お客様と向き合う制作者としてだけではなく、Web制作者の勉強会を主催する側の立場としてもたくさんの方と出会いました。
振り返って思うのは、いろいろな人に生かしていただいているということ。それは単純に仕事として報酬をいただいているということだけではなく、同じ時代に同じ世界で生きている同業者の皆さんの力が大きかったように感じます。
時に励まされ時にヘコみ、もがくように生きてこられたのは、一緒にこの世界のことを語り合った人たちがいたからというのも間違いなくあったと思うのです。

例えば、今では当たり前のように使われているCSSも、10年前は獣道を切り開くがごとく少しずつ身につけ、業務に落とし込み、同じように頑張っている制作者のみなさんと情報を共有したものです。一人ではこうして頑張ることができたか、はなはだ疑問です。
そして同時に、この世界では技術が進化しつづけ、一時として安穏としていられないというのもまた事実で、正直なところついていけなくなっている部分があることも、不安に思う時があります。

しかし、そうなった今も自分を助けてくれるのは、頼もしい成長を続ける若者や、同じように頑張る同業者のみんなや、おつきあいいただいているお客様、見守ってくださる弊社代表であり、恵まれた15年であったと振り返ることができるのは本当に幸せなことです。

「ふつうのおじさん」の背中

私たちのWeb制作業界はまだまだ若い業界です。就業人口のバランスから見ても20代から30代前半が多いのではないでしょうか。
この若い業界では、光り輝く活動、実績を持つ人はとても強い引力を持っています。私はそういう人を「スタープレイヤー」と呼んでいます。若者に「あの人はすごい」「あの人みたいになりたい」と思われるスタープレイヤーというのは、業界にとっても大変プラスとなる力を持っていると感じます。

さてそんな中で我が身を振り返ってみるとどうでしょうか、謙遜するわけではありませんが、残念ながらスタープレイヤーとは言いがたいというのが現実です。
ですが、私は思うのです。ふつうのおじさんには、ふつうのおじさんにできることがあるのではないかと。若者があと10年、20年後の自分を想像して、ああ、あんな感じで生きているんだ、と思えるような姿を見せることができるのは、それはそれでとても意義深いことなのではないでしょうか。

私は15年前この業界に飛び込む時、親に強く反対されました。親としては、得体の知れない業界で食べていけるかどうか、そもそも会社や業界自体が立ち行かなくなるのではないかというのはとても心配だったのだと思います。それはきっと、根っこの部分では今も変わらないのかもしれません。
そんな状況で、一人のおじさんとして当たり前のように働き、ポジションを変えながら生き抜くというのは、この業界が一般社会の一部として認められるのに必要な、小さくとも重要なことだと感じるのです。

15年、そして10年。また新しい1年

さて、冒頭で15年と書きましたが、同時に現職に就いて10年という節目の年でもあります。
立ち上がりから在籍して、育てていただいた10年でした。
また新しい1年がはじまります。10年の蓄積を成果にして、次の世代に繋げていくべく、これからもがんばっていかねばと気持ちを新たにする2014年の春なのです。


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