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音量が小さいPCエンジンGTのコンデンサ交換修理のこと

2018年の猛暑も9月に入り徐々に和らいできました。 お盆の連休、今年は「あ〜、いつか手をつけなければな〜」と思いながらも、いろいろと複雑な思いで先延ばしにしてしまっていたPCエンジンGTの修理にチャレンジしてみました。 これまでジャンクのゲームボーイやゲームギア、ワンダースワンの修理はしているものの、今回は手元に1台しかないし、2018年現在の末端価格は結構なお値段だし、ということでミスを思うと及び腰なのであります。


PCエンジンGT 本体

正直今回の作業は勇気がいりました……

今回の修理のきっかけは、中古品の入手当時からPCエンジンGTのトラブルの特徴のひとつ、音量があがらない、というものでした。他にはディスプレイがうつらない、というのがよくあるトラブルのようです。 どちらもゲームギアで似た症状を味わっているので、まぁなんとかなるんじゃないかなということで、インターネットの先人のみなさんのお知恵を拝借してコンデンサ交換にチャレンジ!


ちなみにゲームギアの時のエントリはこちら。



準備したもの


  • PCエンジンGT
  • 精密プラスドライバー
  • はんだごて&はんだ少量
  • 電解コンデンサ(音声用: 100μF6V ディスプレイ用: 4.7μF35V)
  • 配線少量

今回の工程

  1. [分解1] 本体裏面6箇所のネジを外す
  2. [分解2] 赤いコネクタと2つのフレキシブルケーブルを外す
  3. [分解3] 筐体背面方向から出ているフレキシブルケーブルを外す
  4. [分解4] 基板のネジを外してコンデンサ側にアクセス
  5. コンデンサ交換
  6. 組戻し・チェック

1. [分解1] 本体背面6箇所のネジを外す


PCエンジンGT背面のネジ配置図

6つのネジを外します

まずは本体背面の6箇所のネジを外します。いずれも精密プラスドライバーで取り外しできます。 電池ボックス内のネジのみ短いものになっています。 まだこの段階では分割はできませんので、筐体前面・背面を少しだけずらすように外します。


2. [分解2] 赤いコネクタと2つのフレキシブルケーブルを外す


筐体正面・背面を少しだけずらすと、正面から見て右側のチューナー端子側に赤い端子と、基板の本体下側に2つのフレキシブルケーブルが見えるので、これらを外します。フレキシブルケーブルはコネクタはありませんのでそのまま真上に引き抜きます。斜めに力を加えると破損する恐れがあるので注意しましょう。


分解中に見える赤いコネクタ

赤いコネクタが見えます

分解中に見えるフレキシブルケーブル

下側のフレキシブルケーブルが難関

PCエンジンGT 前面、背面に分解完了の図

分割完了!

ここまでの作業で、前面・背面に分割できました。


3. [分解3] 基板背面方向から出ているフレキシブルケーブルを外す


基板背面方向から出ているフレキシブルケーブル

ちょっと写真の順番が前後していますが、[分解3]で外すのがこのケーブルです

基板背面方向から出ているフレキシブルケーブルを外します。分解2で外したケーブルよりは作業空間が大きく取れる分、作業の難易度は下がります。分解2と同様に、真上に引き抜くことに注意します。


4. [分解4] 基板のネジを外してコンデンサ側にアクセス


PCエンジンGT 背面基板

基板上のネジを取り外して裏側へアクセス

電源スイッチ下の、基板を止めているネジを外すことで、コンデンサが取り付けられている面にアクセスできるようになります。


5. コンデンサ交換


基板上を確認したところ、幸いにも液漏れなどはなく綺麗な状態でした。PCエンジンGTは1990年発売のハードですから、見た目は綺麗でも本来であればゲームギアの時と同様にコンデンサを全交換したいところですが……。正直なところ、現時点で音量不足以外は問題無いということもあり、ミスの可能性も考えると手をつけるところは最小限としたいという気持ちが大きいです。

というわけで、今回は問題の音声と、次に症状が出ることが予想されるディスプレイに関係する2箇所のみ交換としました。

もともと取り付けられているコンデンサは、ペンチで細かく動かすように力をかけて外しています。あまり一度に力をかけると基板側のプリントを破損してしまう可能性もあるので慎重に、慎重に。

音声、ディスプレイとも、交換用に用意したコンデンサは高さ(長さ)のあるラジアルリード型のため、もともとの表面実装タイプのコンデンサと同じ位置に取り付けるには場所が足りず取り付けが難しい状態です。今回は配線を継ぎ足して空きスペースに収める方法をとりました。 音声用の100μF 6V、ディスプレイ用の4.7μF 35V、2つを交換していきます。


PCエンジンGT 音声関連のコンデンサ

音声関連は100μF 6V

PCエンジンGT ディスプレイ関連のコンデンサ

ディスプレイ関連は4.7μF 35V

コンデンサの端子の先に配線を継ぎ足して、熱収縮チューブでカバーします。配線を伸ばしてある分、取り回しも楽になりました。配線部分を基板にはんだづけし、空きスペースにコンデンサを置き、絶縁テープで止めれば、ここまでで交換作業は完了となります。


音声側のコンデンサ取り回し

音声側はこんな感じ。配線見苦しくて申し訳ありません

ディスプレイ側のコンデンサ取り回し

こんな感じで配線を伸ばして、空きスペースに収めています


6. 組戻し・チェック


分解工程をさかのぼる形で組戻しです。
基板をネジ止めして組み戻す時に、電源スイッチを組み忘れないように気をつけましょう。

実際に作業してみて、PCエンジンGT分解・組戻しで一番注意が必要だと思ったのはフレキシブルケーブルの取り扱いです。特に抜く時よりも挿す時の方が問題で、とにかくまっすぐに当てて真上から力をかけることが大事。斜め方向に力がかかったり、ケーブルがコネクタに対して斜めに当たっていると、ぐにゃっと曲がってしまい破損の可能性が高まります。


「PC原人」プレイ画面

動作テストにチョイスしたのは「PC原人」

ともあれ組戻しができれば動作テストです。 蚊の鳴くような小さな音だったのが、スピーカーからハッキリ大きく聞こえるようになりました! ディスプレイの表示も問題無しです! おっかなびっくりの作業ではありましたが、修理成功。緊張した分だけ達成感も大きいなというのが素直な感想です。


またもう少しだけ、一緒に遊べますように


PCエンジンは現役当時、いとこや友達の家で遊ばせてもらって、ファミコンやメガドライブとはまた違った独自の世界がある、ちょっと自分から距離が遠い分だけ憧れの存在でした。 大人になってPCエンジンやHuカードをあらためて手にしても、やっぱりあの頃感じた「ちょっと違う」感じに今でもわくわくしてしまうのです。

もうすぐデビューから30年が見えてきたPCエンジンGT、我が家でいつまで元気に動いてくれるかわかりませんが、大事に遊んでいきたいと思います。

それではまた。

〜本エントリーの注意点〜

このエントリーはPCエンジンGTの分解・改造を推奨するものではありません。PCエンジンGTの分解および内部部品への加工は故障、事故などの原因となる危険を伴う場合があります。作業にあたっては十分な注意の上、作業者自身の責任で行ってください。


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