スーファミコントローラ型ヘッドホンのこと

ゴールデンウィーク、夏とプレイステーションのリサイクル時計を作っている時に、いろいろなゲーム機を使った工作が公開されている事を知り、Webサイトを巡っている時に出会ったのが、スーパーファミコンのコントローラを使ったヘッドホンでした。
制作過程の動画がアップロードされていたこともあり、なんとかなるかな、という軽い気持ちでチャレンジしてみることにしました。


参考にさせていただいた動画はlyberty5さんの以下のものになります。



早回し版はもう見ているだけで楽しくなってきますよね。
この早回し版を先に見て気分が盛り上がってきたところで、詳しい解説有り版を見て、とりあえずやってみようかなという気になりました。
とは言え日本語以外はあまり自信がないので、今回もYouTubeの自動翻訳字幕機能を使って予習させていただきました。この機能は本当に助かります。
字幕の表示方法については、以下に詳しく書いてありますので参考にしてみてください。


今回はlyberty5さんの動画を参考に、自分にできる範囲のことを行うというコンセプトで、機能や工程についていくつかをカットしています。
一番大きいのは、Bluetoothコントローラとの接続で、そもそもこれは手持ちの部品がないこと、難易度が高いことから断念しました。完成品を見た方のほとんどが「これはボタンでコントロールできないの?」と言われるので(自分でもそう思います)、いつかなんらかの形で再挑戦できたらいいなぁと思いますが、まずはボタンそのものが押せるところまでとしています。
今回は、スーファミコントローラの丸い形を使って「おっ!?」と思ってもらえることを目標に作ってみました。


準備したもの


  • ヘッドホン(自宅にあったパイオニア SE-MJ31
  • スーパーファミコンのコントローラ(ジャンク品でOK)
  • 精密プラスドライバー
  • 電動ルーター
  • 紙ヤスリ(下処理80番〜 中間作業400番〜 仕上げ1000番〜程度)
  • プラ板(自由に曲げられるくらいの厚みのもの)
  • プラモデル用パテ
  • カッター
  • マスキングテープ
  • サーフェイサー(塗装下地材。スプレー缶)
  • 塗料(スプレー缶)

今回の工程


  1. コントローラの分解、切断
  2. 切断した部品の整形
  3. パテを使った整形
  4. 部品の塗装
  5. ヘッドホンへの取り付け

このエントリの注意

実はこの完成品は、1度コントローラの加工に失敗しているため、2回作業を行っています。工程写真については、情熱を持って事に当たっていた1回目のものが多く、2回目のものはとにかく完成させたくて、あまり工程写真が残っておりません。若干解説文と合わなく見えるものもありますが、解説文の方が現実に即した内容となっています。ご了承ください。


コントローラの分解、切断


まずはスーファミコントローラの分解です。コントローラ自体は裏面から小さなプラスネジで止まっているだけなので簡単に分解できます。
元はと言えばニューファミコンのコントローラのボタンゴムの部品取り用に確保していたものですが、今回はボタンも押せるようにしたいので、ボタンおよびボタンゴムも使用していきます。また、基盤部分も接続はしませんが、ボタンおよびゴムの押さえとして使用することにします(あわよくば、なにか接続できるかなという気持ちもありました)。
というわけで、逆に言うと今回使用しないのは、背面パーツ、L/Rボタン、スタート/セレクトボタンになります。

分解ができたら、前面パーツの加工です。
大きく十字ボタン、ABXYボタンの2つに分割します。最初は真ん中から半分にカットすると作業がしやすいかと思います。
2つの部品を丸く整える作業ですが、今回はABXYボタン側のグレーの円周+端からグレーの円周までの長さを元に、厚紙で型紙を作りペンで線を引いてからルーターで切断していきました。
この工程でできるだけ綺麗な円を書いておくと、後の整形が楽になるのではないかと思いますが、大きすぎる/小さすぎるということがなければ、ヤスリ加工/パテ盛り加工である程度の問題は吸収できます。


半分に切って

周りを削って

だいたい丸くなりました

ABXY側もこのとおり

切断は今回ダイソーさんの電池式ミニルーター(電池ボックス別の800円モデル)を使用しましたが、正直パワー不足は否めず、切断までなかなか苦労しました。後にハンディソー、電動ジグソーといろいろ使ってみましたが、いずれにせよ言えるのは、ある程度適当に切ったら紙ヤスリで整えた方が圧倒的に楽ということでした。


切断した部品の整形


前の工程では、大まかに切っていったパーツですが、ルーターで丁寧に整形する方法はパワー不足のためあまりに道のりが遠いという状況のため、粗目の紙ヤスリを使用することにしました。
今回は80番でヤスリがけをして、最初にパーツにペンで書いておいた線まで削っていきます。コントローラの材質はプラスチックですので、思いの外簡単に削れていきます。削り過ぎないよう注意してください。
最終的にはパテを盛って円形を整えていくので、ここでは余分なパーツが削れていればOKとなります。

また、内側部分にはいくつかの突起があります。この辺りも必要に応じてニッパーやカッターで除去しておくと後の工程が楽になります。ただし、ボタンや基盤を固定するための部品については残しておきましょう。
整形ができたら、この後の工程への保護という事で、ABXYボタンのグレーの円周部分をマスキングします。


パテを使った整形


プラ板で壁を作る

ここまでの工程でずいぶんそれらしくはなりましたが、当然ながら切断面が大きく開いています。そこで、プラモデル用のパテを使って整形していきます。
とはいえ、開口部にそのままパテを盛るわけにもいきませんので、プラ板を仮の壁として設置し、その上に盛っていきます。
プラ板を一定の高さで切り取って、パーツの中に丸めていきます。最初はグルーガンで固定する方法をとりましたが、2回目は両面テープで固定しました。両面テープの方が圧倒的に楽でおすすめです。

プラ板での仮の壁が出来上がったら、あとはパテを盛っていきます。ここでは多少厚めに盛っておいて、紙ヤスリで削っていくことになります。
ここまでできたら、パテの硬化待ちで一休みです。


6〜12時間でパテが硬化したら、再び紙ヤスリによる整形です。大まかに円形が作れてきたら、徐々に番手を上げて200番台〜400番台くらいでほぼ滑らかな状態ができあがります。
この後にスプレー塗装を行うことから、さらに仕上げで1000番台まで使って磨いていきます。このくらいになると、指で触っても元のコントローラとパテの境目がわからなくなってきます。


部品の塗装


下地材塗布後

下地材だけだと純正のような色合いですね

今回は簡単にスプレー缶を使った塗装をします。プラモデル好きで、いろいろな塗装用具を持っている方であれば、そういった道具を使うのもよいと思います。
まずは下地材のサーフェイサーを吹いて、その後に塗料を重ねていきます。
今回はタミヤのサーフェイサー1000番とレーシングホワイトを使用しました。
塗装については基本的に薄く回数を重ねていくとムラができにくいと言われています。綺麗な仕上がりのためには根気よく塗ることが必要です。まぁ私の場合は早く完成させたい一心でつい厚く塗ってしまいがちだったわけですが……。

塗装ができたら、マスキングテープをはがしてボタンを組み付けておきましょう。今回は接続こそしませんが、ボタンが押せるように元のボタンとボタンゴム、基盤を切り取ったものを組み付けていきます。基盤とパーツは瞬間接着剤やグルーガンで固定するとよいでしょう。


ヘッドホンへの取り付け


パイオニア SE-MJ31

パイオニア SE-MJ31

あとはいよいよヘッドホンへの取り付けとなります。
本来lyberty5さんの方法であれば、ヘッドホンの本体部分を、今回作成したパーツと置き換えていくことになるのですが、ここでいくつかの問題が。

  • 当初「まぁだいたい同じサイズだからいいかな」と思っていたものの、パーツ側の方が微妙に大きいため、ヘッドホンのアーム部分の内側には納められない。
  • かといってヘッドホン本体に置き換えようと思うと、音を出す部品が納められるほどの容量がパーツ側に無い。

というわけで取った苦肉の策が「今回作ったパーツを、そのままヘッドホンの外装に取り付ける」という方法。
パーツの底面を平らに均してヘッドホン左右の本体外側に取り付けます。
実は1回はグルーガンで取り付けましたが、均し作業に納得がいかずに、取り外して調整して、また考えが変わってもいいように、ということで両面テープで取り付けています。ただし、ここまでの状態ではパーツ内側は元の基盤があるため、平らな面が無いことで接着の面積が取れません。そこで、パーツ内側に厚紙を貼り付け、その面全体とヘッドホンを両面テープで取り付けました。


そのまま載せてしまいます。うーん、整形の粗さが目立つ。

これらの写真は均し修正前です


とりあえず完成!


と、いうわけでここまででとりあえず完成! です。
実際に出来上がったものを改めて見てみると、パテの整形や塗装に粗さが見えて残念なところもありますが、まず形になったということに満足はできました。2度目、3度目があれば、きっともっとうまくできるのではないかと思います。

外見・機能上の問題としては、本体の外側に直接取り付けているため、見栄えがやや悪いこと(外側に出っ張ってしまっている)、同じ理由でヘッドホンを装着した時に位置を調整する役割のアームの可動部に干渉する、というところがありますが、いずれも目をつぶればつぶれないこともないかなという感じではあります。


最後に


冒頭でもお知らせした通り、実は1回目はパーツ切断〜パテ盛り時に整形を甘く見過ぎていたため失敗をしています(うまく円の形が取れず、削ろうにも元の形が悪すぎて断念)。一時は諦めようかとも思いましたが、なんとか形にできてよかったです。
lyberty5さんのアイデアと動画に感謝と敬意を表しつつ、完成品写真でシメといたします。スプラトゥーンのアタマ用ギアとして存在したら……ということでボーイ&ガールさんにつけていただきました!
それではまた。


ガールさん装着図(右)

あれ?ガールさん左右間違えてる

ガールさん装着図(左)

本当はこっちが右です

ボーイさん装着図(右)

ボーイさんの方が足(?)が邪魔にならないみたい

ボーイさん装着図(左)

やっぱりインク効率アップ?


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